【連載:北欧、大人のぶらり旅】おいしいごはんと、旅の記憶。Vol.7
Vol.7 スカンセンで食べた薄焼きパンと、写真美術館の刺激 ~気取らない「生活の匂い」~
ストックホルム滞在中に訪れたのが、「スカンセン(Skansen)」という世界最古の野外博物館です。
ここ、とにかく広い!
スウェーデンの昔の農家や工房、教会などが国内各地から移築されていて、昔の人々の暮らしを体験できるテーマパークみたいになっています。
■ 焼きたての「Tunnbröd」
歩き回って小腹が空いた頃、どこからともなく香ばしい、いい匂いが漂ってきました。
匂いの正体は、園内にある古いパン屋さん(Bagarstugan)。
中に入ると、昔ながらの薪窯でパンを焼いています。
ここで売っていたのが「Tunnbröd(トゥンブロード)」という薄焼きパンです。
窯で焼きたての、パリッとした平たいパン。
それにバターを塗っただけの、本当にシンプルなものなんですが、これがもう……美味しい!
小麦の香りが強烈で、噛めば噛むほど味が出るんです。
牛肉や豚肉を挟んだサンドイッチみたいなものもあったんですが、私はこのシンプルなバターだけのやつが一番気に入りました。
おしゃれなレストランの料理もいいけれど、こういう気取らない「生活の匂い」がする食べ物って、なんでこんなに美味しいんでしょうね。
■ 写真美術館「Fotografiska」へ
その後は、海沿いにある写真美術館「Fotografiska(フォトグラフィスカ)」へ。
古いレンガ造りの税関の建物をリノベーションした場所なんですが、中に入るとすごくモダンでクールな空間が広がっています。
世界的な写真家の作品が展示されていて、現代アートの刺激をたっぷりと浴びました。
最上階にあるカフェからの眺めも最高でした。
大きな窓からストックホルムの海と街並みが一望できて。
ここでコーヒーを飲みながら、さっき蚤の市で買った古地図のことや、スカンセンで見た昔の暮らしに思いを馳せていました。
古いものと新しいものが、違和感なく共存している。ストックホルムはそんな懐の深さを感じる街でした。
ここでもミュージアムショップで素敵なポスターを見つけてしまい、また荷物が増えてしまったのはここだけの話です(笑)。
次回は、いよいよ最後の国、デンマークへ。デザイン好きにはたまらない、椅子の聖地を巡ります。