【連載:北欧、大人のぶらり旅】おいしいごはんと、旅の記憶。Vol.2
Vol.2 マリメッコの社員食堂と、市場のサーモンスープ ~「好き」を仕事にする人たちの顔~
ヘルシンキ2日目のお昼は、少し足を伸ばしてマリメッコの本社へ行きました。
お目当ては、本社内にある社員食堂「Maritori(マリトリ)」です。
ここ、一般の人も利用できるんですが、一歩入った瞬間からもうワクワクが止まりません。
■ 幸せなランチタイム
ビュッフェ形式の食堂なんですが、トレーもお皿も、ペーパーナプキンに至るまで、全部マリメッコの柄なんです。
この日は野菜たっぷりのサラダや温かいお料理が並んでいて、どれも彩りが豊か。
でも、何より素敵だったのは、そこで働いている社員さんたちの姿でした。
自分たちのブランドの服を着て、自分たちのデザインした食器で、リラックスしてご飯を食べている。
その表情がすごく自然で、誇らしげなんです。
「デザイン」が特別なことじゃなくて、彼らにとっての「日常」であり、生活の一部なんだなって。
そんな姿を見ていたら、「この空気感ごと、日本に持ち帰りたいなあ」なんて、羨ましくなってしまいました。
私たちDENTOも、こんな風に自分たちが作るものを愛して、楽しんで仕事をしたい。そんな風に背中を押された気がします。
■ オールドマーケットホールの熱気
その後は、港の近くにある「オールドマーケットホール(Vanha Kauppahalli)」へ。
レンガ造りの建物の中に、魚屋さんや肉屋さん、パン屋さんがひしめき合っていて、活気がすごい!
ショーケースには新鮮なサーモンやベリーが宝石みたいに並んでいます。
ここで食べたサーモンスープがまた、忘れられない味でした。
ディル(ハーブ)がたっぷり入ったクリームスープの中に、ごろっと大きなサーモンが入っていて。
一口飲むと、クリーミーなんだけどしつこくなくて、サーモンの脂の甘みがじわーっと広がるんです。
「美味しいねえ、美味しいねえ」と何度も言いながら、パンを浸して最後の一滴まで完食しました。
■ アルテックとムーミン
腹ごなしに街を散歩しながら、「Artek(アルテック)」の本店やムーミンショップも覗いてみました。
アルテックの家具は、シンプルだけど存在感があって、やっぱりかっこいい。
何十年も前にデザインされた椅子が、今もこうして新品として売られ、そしてヴィンテージショップでは古びた姿で売られている。
「良いものは、時間が経っても古くならない」
当たり前のことのようですが、それを街全体で実践しているフィンランドという国の豊かさを肌で感じた一日でした。
次回は、フェリーに乗って海を渡ります。中世の街並みが残るエストニアのタリンへ。そこには、この旅一番の感動的な食事が待っていました。